いらっしゃいませ、喫茶1616のマスターです。今日の「裏メニュー」は、整備の現場で実際にあった、ちょっと珍しい修理事例です。
お預かりしたのは、平成25年式のワゴンR(MH34S)。エンジンのチェックランプが点灯し、O2センサー(酸素センサー)の故障コード「P0137」が出ていた車です。「O2センサーを替えれば直るだろう」と思っていたら、原因は思わぬところにありました。
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2026年10月27日:記事を公開
結論:原因は「配線を伝ってきたエンジンオイル」だった
先に結論からお話しします。O2センサーの異常の原因は、エンジンについている部品(インテークのオイルコントロールバルブ)からのオイル漏れでした。漏れたオイルが配線の中を伝ってセンサーのカプラー(コネクター)まで入り込み、異常を起こしていたと考えられます。
O2センサー自体も劣化はしていましたが、単なる経年劣化だけではなかった、というのが今回のポイントです。
車両と症状
| 車種 | スズキ ワゴンR(MH34S) |
| 年式 | 平成25年式 |
| 走行距離 | 10万km超 |
| 症状 | メーターにエンジンのチェックランプが点灯 |
| 故障コード | P0137(O2〔リヤO2〕センサ系統Low異常) |
お客さんが気づいた症状は、メーターのエンジンチェックランプの点灯でした。

診断の流れ
実際に行った作業を、順番に並べるとこうなります。
- チェックランプの点灯を確認し、診断機で故障コードを読み取る
- O2センサーを点検(導通がないことを確認)
- 念のため、プラグなどの点火系統も点検
- O2センサーを交換
- 試乗すると、同じコードで再びランプが点灯
- カプラーを確認すると、オイルのにじみを発見
- エンジン側から配線を伝ってオイルが来ていると予想し、配線をたどる
- インジェクターのカプラーにもオイルのにじみを発見
- さらにたどると、インテークのオイルコントロールバルブのカプラー内部に、オイルが大量に溜まっていた
- オイルコントロールバルブを交換
- 長時間のアイドリングと試乗で、ランプが点灯しないことを確認して納車


なぜ最初は気づかなかったのか
センサーを交換したときには、カプラーのオイルに気づきませんでした。今回気づけたのは、試乗の直後にカプラーを外したからだと思います。
原因:エンジンから配線を伝ってきたオイル
オイルコントロールバルブは、エンジンに直接ついている部品です。そこのカプラーにオイルがたくさん溜まっていたことから、ここからオイルが漏れていると判断しました。

漏れたオイルが、毛細管現象で配線の中を伝い、離れた場所にあるO2センサーやインジェクターのカプラーまで届いていたのではないか、というのがマスターの見立てです。
修理内容と結果
オイルコントロールバルブを交換しました。O2センサーもすでに交換済みです。長時間のアイドリングと試乗をしてもランプは点灯せず、コードも出なかったので、そのまま納車しました。
整備士として印象に残ったこと
エンジンチェックランプがついて、O2センサーのコードが出ていて、センサーの導通がない。この状況なら、経験上ほぼセンサーの交換で直ると思っていました。
実際、O2センサー自体も劣化していました。ただ、それだけではなく、配線の中をオイルが伝ってくるという珍しい事例でした。センサーを替えても同じコードが出るときは、その先に別の原因が隠れていることもある、とあらためて感じた一件です。
同じ症状でお困りの方へ
O2センサーのコードが出る原因は、センサーの劣化だけとは限りません。今回のように、別の部品の不具合が関係していることもあります。
エンジンのチェックランプがついたときは、自己判断で部品を替える前に、診断機のある整備工場で点検してもらうのがおすすめです。
まとめ
今回の修理事例のポイントをまとめます。
- 平成25年式ワゴンR(MH34S)で、リヤO2センサー系統の異常コードが出ていた
- O2センサーを交換しても同じコードが再発
- 原因は、オイルコントロールバルブからのオイル漏れ。オイルが配線を伝ってカプラーに入り込んでいた
- オイルコントロールバルブを交換して、ランプの点灯はおさまった
同じ症状でお悩みの方の参考になれば幸いです。
エンジンオイルの基本については、エンジンオイル交換はなぜ大事?現役整備士がすすめる交換時期と放置のリスクでもお話ししています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。また喫茶1616でお待ちしています。


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